事業者の経営労務に関する状況を、確認者である社労士が診断する「経営労務診断サービス」の総合サイト。

経営労務診断をした社労士に聞く – 効果的な提案方法

経営労務診断は誰に向けた情報なのか
その情報提供を特に必要としているのは誰か

――ROBINS及び経営労務診断サービスを企業に提案したきっかけ、お考えをお聞かせください。
ROBINSや経営労務診断サービスを提案するにあたっては、まずROBINSが誰に向けた情報であるかを考えました。ROBINSには企業の基本情報と経営労務情報などのアピール情報がありますが、基本情報は対企業向け、企業間取引で活用できそうだと感じました。一方で、アピール情報を最も必要とするのは、就職先を探している人たちではないかと考えました。では、そうした求職者向けの情報提供を特に必要としているのはどこだろうかと考えたときに、真っ先に思い浮かんだのが保育所でした。
ご存知の通り、保育所は人材不足が深刻な業種です。待機児童の解消のため、保育所の整備が急ピッチで進められており、保育士の獲得競争はますます激化しています。そのような情勢のなか、働く環境を重視する保育士にとっては、第三者である社労士が適正に診断した信頼性の高い経営労務情報が、保育所を選ぶにあたって求める情報に合致するのではないかと考えました。逆にいえば、ROBINSは保育所が優秀な人材を確保するための有効なツールになり得る。そこで私たちの顧問先である杉の子保育会さんに経営労務診断を提案したのです。

強調したのは「人を大切にする企業」
視覚に訴えるのも効果的

――ROBINS及び経営労務診断サービスを提案した際に工夫したことは何ですか。
杉の子保育会さんのケースでは、パンフレットを活用し、まず経営労務診断サービスの話から入りました。ただ、いきなり経営労務診断というのでは敷居が高いと感じる企業もあるようですので、そういった企業に対しては基本情報から提案するようにしています。診断までされると、痛くもない腹を探られると受け取る企業もあるようですし、企業間の取引が多い企業では基本情報だけで十分な場合もあると思います。
実際に提案する中で感じたのは、ROBINSの趣旨や特徴を説明することも大切ですが、視覚に訴えたほうが伝わりやすいということですね。プリントアウトしたものやタブレット端末などを用いて、多くの情報が掲載されている企業とそうでない企業を比較して見せると、「こんなに違うんだ」といった率直な反応がよく返ってきます。ですから、ホワイト企業であることを証明できることや、第二のホームページとしても活用できるといったROBINSのメリットを伝えつつ、視覚にもアプローチしていく方法が効果的ではないでしょうか。また、ミライエでは経営労務診断サービスを紹介する独自のホームページを作成しています。興味をもっていただけそうな企業に対しては、メールなどにリンクをはってホームページを見てもらい、検討していただくようにしています。
もう一つ、工夫していることとしては、経営労務診断に適合した企業が取得できる「経営労務診断シール」に関して、「経営労務診断適合企業」という称号よりも、その上に表示されている「人を大切にする企業」というフレーズを強調して説明していることです。これは企業にはかなり響きますね。「適合」というと今一つイメージがわきにくいようなのですが、「人を大切にする」という表現は伝わります。たとえば、新卒者がROBINSを見たときに、就業規則や労働時間管理の項目を見てもわからないかもしれないですが、「人を大切にする企業」という言葉があれば、それだけでいい会社だと思ってもらえるかもしれない。そういったわかりやすさは大事だと思います。ただ、シールをホームページや名刺に載せると、「人を大切にする企業」というフレーズが小さくなってしまうので、これがもう少し大きくなるといいですね。

――これからROBINS及び経営労務診断サービスに取り組む会員へのメッセージをお願いします。
これから確認者として取り組まれるようであれば、まずは顧問先の基本情報を掲載することから始めてはいかがでしょうか。基本情報の確認者としては行政書士や司法書士でも登録できるのですが、行政書士や司法書士は普段から頻繁に企業とやりとりをしたり、事業所を訪問したりしているわけではないので、登録作業も大変なはずです。一方で、社労士は顧問先であれば現地確認は済んでいるので、負担を少なく掲載することができると思います。顧問先の基本情報を登録していく中で、次のステップとして経営労務診断を考えていけばいいのではないでしょうか。
顧問先を地道に登録していくことでROBINSは充実していきます。先般、東京商工リサーチとのリンクもでき、ROBINSが法人台帳としてふさわしい充実した内容になれば、登録したいと考える企業も増えるでしょうから、そういった好循環の流れを皆様とつくっていければいいと思います。

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根本氏根本 啓明 氏(東京会)
社会保険労務士法人ミライエ 代表社員
2008年6月、社会保険労務士登録。企業において16年間、人事労務系業務に従事し、社会保険事務手続、給与計算、福利厚生、人事給与制度設計、労働組合対応、人材育成、採用等、企業人事の全般に携わる。2013年4月、社会保険労務士法人ミライエ設立、代表社員。明治大学経営学研究科修了、修士(経営学)。

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